白衣を着る仕事は医者や調理師など様々ですが、いずれの仕事であっても清潔で鮮やかな白さを保つ白衣を着るのが当たり前となっています。白衣が汚れていると不潔でだらしなく見えるだけではなく、その職場の衛生管理に問題があると見なされるためです。
白衣を良好な状態に保つためにも、正しい洗濯の方法やお手入れに関する工夫について学びましょう。
古い白衣が汚れて見える理由
白衣は長く使い続けていると次第に生地の色がくすみ、遂には洗濯をしたのに薄汚れているように見えてしまいます。これは何度も洗濯を繰り返したことによって生地の繊維に含まれている色素が減少したのが理由です。特に綿や麻といった天然素材を使った生地に起こりやすい劣化で、洗っているのに汚らしい見た目になってしまいます。
清潔感が求められる白衣が薄汚れて見えるのは致命的な問題なので、速やかに新品へ交換しなければいけません。しかし、生地の劣化は古い白衣だけに起こるとは限りません。新品同様の白衣であっても扱い方に問題があると、何年も着続けたかのようなくたびれた見た目になってしまいます。
白衣に限らず、衣服の生地が傷むのは洗濯の方法に問題があるのが理由の大半を占めます。洗濯は衣服の汚れを取り除くために行うものですが、その方法は衣服の素材や形状で大きく異なるので注意が必要です。衣服に適さない方法で洗濯を行うと汚れを落とすどころか、生地の色落ちや繊維の損壊といったトラブルに見舞われるおそれがあります。
また、近年では家庭用の乾燥器が普及したことによる新たなトラブルも多発しています。洗濯と同様に乾燥も衣類によって最適な方法が違うので、トラブルを避けるには衣類ごとの正しい扱い方を把握しなければいけません。
白衣を綺麗に洗濯するための工夫について
白衣に付着する汚れは着用する職場環境によって様々です。飲食物の汚れであったり、薬品や血液の汚れだったりする場合もあります。汚れによって含有成分が異なる他、白衣の生地にもたらす影響も違います。洗濯の方法についても汚れを取り除き、生地本来の白さを回復させることを第一に考えるのが綺麗な仕上がりにするための条件です。
単に洗濯機に放り込んでお終い、という方法ではシミが残ったり生地を傷めてしまったりする恐れがあります。汚れの成分に合わせた方法で洗濯を行い、新たな汚れが付着しないように工夫することが白衣を長く愛用するための秘訣です。
したがって、洗濯に関する正しい知識を学ぶことが重要になります。白衣は生地の白さからわずかな汚れも目立ってしまう衣類です。そのため、洗濯を行う際は一切の汚れが残らないように注意しなければいけません。
また、白衣は他の衣類で色落ちが生じた際に最も影響を受けやすい衣類でもあります。綺麗な白さにする目的で洗ったのに、別の衣類の色に染まってしまうというケースは珍しくありません。別の色が沁み込んだ白衣を元の白さに戻すのはほぼ不可能なので、白衣を洗う際は他の洗濯物とは一緒にしないことを心がけましょう。
なお、同じ白色の衣類でも使用している染料の影響を受ける可能性があるので注意が必要です。
シミの除去に関する問題と専門業者に任せる利点
白衣は生地の白さから汚れが目立ちやすい他、洗濯をしてもかすかにシミが見えるというケースが少なくありません。特に長時間放置された汚れは色素が生地の繊維に沁み込んでいるため、家庭用の洗濯機では完全に除去するのは非常に困難です。
漂白剤を使って汚れの色素を分解させる方法もありますが、白衣の生地の色素も一緒に分解させてしまうデメリットもあります。漂白剤は色素を分解する薬剤なので、対象物を白く染める効果はありません。白衣の生地に漂白剤を使うと白色の色素が分解されてしまいます。
その結果、灰色がすこし混ざっているくすんだ色合いになってしまうのが大きな問題です。汚れの色素が無くなるのでその部分は綺麗になるものの、白衣全体の生地の色素も減ってしまうのでくすんで見えるのです。白衣の白さを損なわずに汚れだけを取り除くにはシミ抜きの専門業者に依頼するのが無難な選択肢です。
シミ抜きの技術を持つ業者であれば対象部分の汚れだけを綺麗に除去することが可能です。家庭での洗濯と異なり、汚れの色素を取り除く目的で作られた薬剤を使ったクリーニング作業を行うのが大きな特徴です。特定の成分の除去に特化した薬剤を使うので、一般的な洗剤による洗濯とは比べものにならないほどの綺麗な仕上がりになるのが大きな魅力です。
白衣に求められる鮮やかで清潔感があふれる白さを回復させることができます。また、薬剤の使用範囲が最小限に留まるので、白衣の生地が傷む心配がほとんど無いのも専門業者にシミ抜きを頼む利点のひとつです。
綺麗な白さを保つには汚れを付着させないことも大切
長く着続けることで次第にくすんでしまうのは避けられない劣化ですが、それでも扱い方に気を配ることで綺麗で鮮やかな白さを保ち続けることは不可能ではありません。最も重要なことは白衣に汚れを付けないことです。汚れが付くとその部分が汚損され、色素が生地の繊維に沁み込みます。
その汚れを取り除くために洗濯を行いますが、綺麗にする一方で白衣全体が傷んでしまうことは無視できません。洗濯による劣化を防ぐには最初から汚れが付着しないように注意するのも方法のひとつです。白衣の汚れは着用している本人の体から出る汗や垢も含まれるので、できるだけ素肌に触れないように扱うことが大切です。
また、白衣の多くは他の衣類の上から羽織る作りですが、その衣類が汚れていると白衣の裏側も汚れてしまいます。白衣の衛生管理は表も裏も等しく実施しなければいけません。
汚れの再付着防止加工は便利だが問題点も多い
白衣の汚れを防ぐ方法としてはクリーニング業者が行う、汚れの再付着防止加工があります。これは衣服に水や油を弾くコーティング加工を施すことにより、汚れの付着やシミの形成が予防できる利点があります。衣服の繊維にあるすき間がコーティングで塞がれるのが再付着防止の仕組みです。
汚れが付いても軽く拭けば無くなるので便利ですが、その一方で問題点も少なくありません。着用や洗濯を繰り返しているうちにコーティングが剥がれてしまい、汚れを弾く効果が無くなってしまいます。また、コーティングは白衣の通気性を大きく低下させるので熱や湿気がこもってしまい、着心地が悪くなるのも大きな問題です。
そのため、コーティング加工の可否は慎重に判断する必要があります。